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ORIENT(中華)サックス

ORIENT中華サックス・・・。

絶対買っちゃいけないサックスの一つですね。オーナーは遊び用で買ったのでしょうが

「遊べないでしょ!」

マウスピース試奏で吹いていて普段吹ける人が低音とかまったく出ないので楽器を疑う。持った瞬間「駄目だというのが解る」楽器でした・・・。(持ってキーをパタパタさせて吹ける楽器を「これ鳴らないでしょ?」というのがある都会楽器店リペアの常套句らしいw・・思い出したので書きました、鳴らないかもしれんけど当てずっぽうで「キーにオイル差されてない」という変な言いがかりはやめて欲しい!)

「はっ!」またBADモードになりそうだった・・気を取り直して話の続き・・・。

とにかく・・可哀想というか悲しくなってきたので格安で直す事を提案・・。後日修理にお見えになりました。

まず目に付いたのが管体曲がりとトーンホールの歪み。写真のトーンホールが楕円になっているのが解るでしょうか?

何故かと言うと・・・。

トーンホール直ぐ脇の管体が大きく凹んでいるからです。これ多分新品出荷時からそうなっているでしょう。ユーザーは気が付かないのです。

まずこれと管体曲がりを直さないと話にならない。

左の画面赤丸部分。前にjマイケルバリトンを直した時もこんなのありました。

中華製はこんなん当たり前w

この楽器はU字管接合部が溶接されておりました。「楽器の鳴りの為?」いいえ・・部品点数削除のコストダウン部分ですw

オクターブも外して管体直します。

直し終わり近く。

次に必ず検査するのが「トーンホール歪み」

酷いねこりゃ・・・。

写真のようにすべてのトーンホールが歪んでおります。最近の中華製は結構よくなってきたけど気が抜けません。トーンホール歪んでいても閉まっていれば音は鳴ります。最初は歪んでいても職人さんが無理やり閉まるよう合わせるので音は鳴ります。でも・・・買って暫く吹くと閉まらなくなってきます。オーナーが調整に出そうと各ショップにお願いしても断られるのがこのせいです。合わせるのが至難の業w(そりゃ出来るけど・・・)。

試奏して正常に音が出ることを確認しても騙されて買わない!後で痛い目にあいます!

全トーンホール修正後キーを仮組。

キーガタがないか?チェックしました。この楽器は許容範囲ですね。

こんな作業も・・。

キーポスト脱落したので付け直し・・。

ありえね~!

さて・・明日はタンポをどうするか?考えます。試しにLowDキーのタンポを剥がしてみたら・・こりゃまた・・なんとも・・・。全部付け替えですかね?古そうだからしょうがないかぁ~・・・。(下写真、凹み修理直した後も映しておきました)
なんか・・問題てんこ盛りでリペア中級コースの終了テストしている感じです。

業界に嫌われても書きます。

「中華サックス買って泣くのはあなたです!、中華サックスは玩具」ちなみに普通こんな直ししたら修理代10万円以上ですね!

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